2017年1月4日付 山陽新聞社会面に、
「池田光政書写の「清輔(きよすけ)本」発見 林原美術館、貴重な完本2件」
の記事が掲載されました。
山陽新聞電子版はコチラをご覧下さい)

20170104山陽新聞朝刊(社会面) (70mm)

発見されたのは、池田光政が書写した「清輔本」、
冊子本と巻子本の完本二種類です。
平安末期の歌学者藤原清輔(1104~77年)による清輔本は、
一般に知られる藤原定家が校訂した「定家本」より書写年代が古く、
原本に近い体裁を保つとされます。
冊子本下帖末尾に下記の書写奥書があり、
「右古今和謌者以清輔/
 親筆而自執毫寫之/
 古今諸本有文字脱/
 誤者多矣今幸得/
 好本不違一字校/
 合之者也/
 寛文八年/
 正月日」
また、巻子本第四軸の巻末に下記の書写奥書、
「右古今和哥集者以清輔親筆而/
 自執毫寫之〔己+十〕古今諸本/
 有文字脱誤者多矣今幸得/
 好本不違一字校合之者也/
 正保三年/
 孟夏上旬」 があります。
署名こそないものの、
二種類とも筆跡から池田光政の真筆本と判断され、
いずれも 〈 清輔親(真)筆を以て(中略)
 一字として違わず之を校合するものなり 〉の意です。
確実な自筆本が現存しない「清輔本」を忠実に
再現している可能性がきわめて高いのです。
林原美術館学芸課長の浅利尚民氏によれば、
「近世でも主流だった定家本ではなく、
清輔本を書写したことは興味深い」とのこと。

今回の「清輔本」二点と、この他に
新出本の「定家本古今集」一点については、
先日小社より発行いたしました「武蔵野文学」第64集に、
2017010602武蔵野文学64集 75mm

新出・再出現の『古今集』三点
─林原美術館蔵 保元二年清輔本・嘉禎三年八月定家本─
舟見一哉


として詳細な紹介が、カラー口絵写真とともに掲載されています。
また、現在の保元二年本に関する研究、ひいては清輔本古今集の研究は、
前田家本に依りつつ、欠落部分は、前田家本とは転写関係にはない
(そして所在不明の)土肥本を翻刻したものに依らざるをえない、
という問題点がありましたが、今回再出現した冊子本は、
前出 「清輔親(真)筆を以て(中略)
 一字として違わず之を校合するものなり 」と、信頼のおけるものであり、
また、問題の欠落部分を勘物まですべて有しているので、
上記論文には、土肥本による翻刻部分と相違する箇所が
一覧されています。これは必見です
是非こちらの電子版記事とあわせ
「武蔵野文学」第64集の舟見論文をご一読下さい。

※本誌は送料ともに無料でお送りしています。
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