小社が所属している神田の錦町三丁目町会(以下、町会)
が所有する、中神輿(ちゅうみこし)と、桃太郎曳き太鼓を
浅草の宮本卯之助商店に修復に出していたのですが、
昨日、修復が完了したとのことで、見に行ってきました。

修復前の中神輿(中=大中小の中です)
推定:大正年間の造り
20161216-01.jpg
町内の博報堂の旧本社ビル(当時としては珍しい鉄筋コンクリート造り)
の屋上倉庫に保管されていたため、
戦禍を免れましたが、老朽化著しく、
このたび町会設立60周年を記念して修復することになったのでした。

修復なった中神輿
20161216-02.jpg
御覧の通り、新品同様に修復が完了しました。
屋根などの塗りは、贅沢な金虫喰い塗りで仕上げられています。

金虫喰い塗り(きんむしくいぬり)管見
中国「存星塗(ぞんせいぬり)」を濫觴(らんしょう)とする福井「若狭塗」や青森「津軽塗」に似た技法で、虫喰跡のように不規則な下塗りに金箔を貼り、上に漆を塗り重ね研ぎ出す。若狭塗や津軽塗が多色展開し、色の層を賑やかに見せるのに対し、金虫喰塗は下地黒漆と金箔と透漆(すきうるし)で表現する不定形紋様ゆえ、独特の興趣を醸し出す。

20161216-03.jpg

実は当町会の大神輿(おおみこし)も、「金虫喰い塗り」で仕上げられています。
テラススクエアに常設展示)
20161216-09.jpg
通常、神輿屋根は素木(しらき)をはじめ黒漆・梨地・螺鈿・沃懸(いかけ)など
多様な技法を用いますが
「虫喰塗」の作例は当町会の他に類例がありません。
文久元年(1861年)創業の、
宮本卯之助商店でも初めての修復例とのことでした。

20161216-05.jpg

当初、予算の関係から屋根のみの予定でしたが、
長押(なげし)や四方柱(しほうはしら)、下長押(しもなげし)
も「金虫喰い塗り」で仕上げてくれました。
文字通り、「勉強させて頂きました」との親方の弁に、
職人魂を感じました。

20161216-04.jpg

いっぽう、こちらは桃太郎曳き太鼓
20161216-06.jpg
上は、修復前の桃太郎曳き太鼓、
下が修復後の曳き太鼓です。
この曳き太鼓は、今上天皇(当時の皇太子殿下)
御降誕を慶賀して、昭和9年に開かれた神田祭にあわせ、
当時の町会長であった、大修館書店創業者の
鈴木一平(すずき・いちへい)翁が、
町会に寄贈したものです。

20161216-07.jpg

こちらも老朽化著しく、
このたび、中神輿とともに修復することとなりました。
普通、曳き太鼓の太鼓の上には大鳥が載ることが多いですが、
この曳き太鼓は、皇太子殿下(往時)のお健やかなご成長を願い、
「日本一」の桃太郎人形を冠しています。

20161216-08.jpg

20161216-010.jpg
堂嵌(どうはめ)彫刻の桃太郎も元気に復活しました!

明後日、中神輿、桃太郎曳き太鼓ともに、
神田明神で、神具修復奉告祭を執り行い、
町会に移動します。
晴天を願うばかりです。



コメント:
コメント:を投稿
URL:
本文:
パスワード:
非公開コメント: 管理者にだけ表示を許可
 
トラックバック:
この記事へのトラックバック: