加藤昌嘉先生より『『源氏物語』前後左右』(勉誠出版)をお贈りいただきました。
ありがとうございました。

『『源氏物語』前後左右』

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2011年9月『揺れ動く『源氏物語』』以来、満を持しての本書の登場!
是非、第13回紫式部学術賞を受賞した前作『揺れ動く『源氏物語』』と併せ、お読みください!

生成変化する物語との戯れ
作り物語とは何か? 作り物語はどのように存在していたのか?
文学史に大きく横たわる、全てのテクストを考えるに等しい根源的な問い。
連鎖・編成を繰り返し、アメーバのごとく増殖・変容するあまたの写本・版本を、あるがままに虚心に把捉することで見えてくる、ニュートラルな文学史。

目次
はじめに

第Ⅰ部 作り物語とは何か?

作り物語のエレメント
ⅰ 作り物語のキャラクター
ⅱ 作り物語のストーリー
ⅲ 作り物語のカメラ
ⅳ 作り物語の形態と表記

作り物語と作り物語
ⅰ 連結と合流
ⅱ 組み換えつづける
ⅲ 時空を引き継いで

第Ⅱ部 和歌は物語の肝である

琴で/笛で、和歌を詠む
ⅰ 『浜松中納言物語』の場合
ⅱ 『うつほ物語』の場合
ⅲ 『狭衣物語』の場合
ⅳ 『住吉物語』『風につれなき』『恋路ゆかしき大将』の場合
ⅴ 『伏屋物語』の場合
ⅵ 『落窪物語』『寝覚』の場合
ⅶ 『一本菊』『毘沙門』の場合

和歌の書記法
ⅰ 和歌を、一~二字分、上げる/下げる
ⅱ 和歌埋没―仮名日記・歌物語における―
ⅲ 和歌埋没―歌物語・作り物語における―

「とふにつらさ」の涙
ⅰ 作り物語の中の「とふにつらさ」
ⅱ 「とふにつらさ」は「涙」「泣く」と連繋する
ⅲ 仮名日記・軍記物語・お伽草子の中の「とふにつらさ」
ⅳ 最古例は『源家長日記』
ⅴ 和歌の中の「とふにつらさ」
ⅵ 「とふ」と「涙」
ⅶ 「とはぬはつらき」

第Ⅲ部 『源氏物語』の成立・作者・本文

〝『源氏物語』はどのように出来たのか?〟を再考する
ⅰ 『源氏物語』成立論の流れ
ⅱ 紫上系・玉鬘系という二つのセリー
ⅲ 『源氏物語』第二部にも玉鬘系は存在するか?
ⅳ 玉鬘系ブロックは後記挿入されたものか?

〝『源氏物語』の作者は紫式部だ〟と言えるか?
ⅰ 『紫式部日記』の中の『源氏物語』関連記事
ⅱ 『紫式部日記』の中で「物語」としか書かれていない記事
ⅲ 西暦一〇〇〇年代の資料
ⅳ 西暦一一〇〇年代~一二〇〇年代の資料

本文研究と大島本に対する15の疑問  
ⅰ 定家本・明融本・大島本の関連性について 
ⅱ 定家本『源氏物語』の複数性について 
ⅲ 大島本を底本とする注釈書について 
ⅳ 大島本「柏木」巻末の切除について 
ⅴ 《青表紙本》《河内本》《別本》という概念について 

本文の傍らに/或いは 本文となって
ⅰ パラテクスト=ペリテクスト+エピテクスト
ⅱ 書き入れも注釈である
ⅲ テクスト本体かペリテクストか? 作者の所為か享受者の所為か?
ⅳ 注釈は本文に容喙する

あとがき

編著者プロフィール
加藤昌嘉(かとう・まさよし)
1971年10月生。
2000年3月、大阪大学大学院博士後期課程修了。博士(文学)。
大阪大学大学院助手、国文学研究資料館准教授を経て、現在、法政大学文学部教授。
著書に『揺れ動く『源氏物語』』(勉誠出版、2011年。第13回紫式部学術賞受賞)、共著書に『大島本源氏物語の再検討』(和泉書院、2009年)、共編書に『テーマで読む源氏物語論(4) 紫上系と玉鬘系―成立論のゆくえ―』(勉誠出版、2010年)がある。

↓御注文はコチラ
『『源氏物語』前後左右』(勉誠出版)
ISBN 978-4-585-29069-8 Cコード C1095
定価 5,184円 (本体4,800円)
刊行年月 2014年5月 判型・A5判・上製 296 頁



コチラもオススメ!

第13回紫式部学術賞を受賞!
揺れ動く『源氏物語』

物語解釈の愉楽
ホンモノの『源氏物語』など、どこにもありはしない。
これまでに存在し、いま存在するすべての本が『源氏物語』である―

“原作者によるオリジナル”という幻想によって矮小化されてきた『源氏物語』。
“生成変化する流動体”という平安物語本来のあり方に立ち返り、
『源氏物語』のダイナミズムを文学史に再定立する。


(各章解説)
第Ⅰ部 本文が揺れ動けば物語も揺れ動く
150種とも200種とも数えられる『源氏物語』の現存写本は、すべて異なる相貌を呈している。『源氏物語』は、絶えまなき変異体である。あまたの写本たちは、そうした変異の種々相である。我々は、残された『源氏物語』たちを俯瞰し、それらを、揺動の軌跡として捉えなければならない。

第Ⅱ部 写本を演奏するのは我々である
或る時期に書き写され、今日まで読み継がれ、儼として眼前にある一写本を、一研究者が己の読解力とリズムで活字化して見せること。・・・・・・世に供される古典の整定本文とは、そういうものであると思うのである。例えば、句読点や鉤括弧は、のっぺらぼうの写本を読むためのtoolであり、instrumentである。

第Ⅲ部 どこからどこまでが『源氏物語』なのか
現存『源氏物語』五四帖がすべて一人の作者によって書かれたという証拠は、どこにもない。たとえ作者が異なっていようとも、作中人物の連繋・物語内容の連繋があれば、一つの物語に集合化し得る、というのが、平安時代物語の本性である。極言すれば、『源氏物語』は永久に完成に至らず、今なお生成をつづけている、ということである


目次
はじめに

第Ⅰ部 本文が揺れ動けば物語も揺れ動く
「東屋」巻の本文揺動史
ⅰ 匂宮が上か? 薫が上か?
ⅱ 『湖月抄』以前・以後
ⅲ 三条西家の本文と解釈
ⅳ 揺れ動きの幅

星と浮舟
ⅰ 鏡と浮舟
ⅱ 《彦星の光》のライン
ⅲ 『小夜衣』『更級日記』『浜松中納言物語』へ

本文の揺れ、物語の揺れ
ⅰ 揺れ動く本文――例えば『狭衣物語』における
ⅱ 本文異同はどのように扱われて来たか
ⅲ 『源氏物語』の異文を読む
ⅳ 本文研究における二・三の些細な問題

脱文もあれば独自異文もある
ⅰ 「神うらめしうおぼさるゝ御くせ」
ⅱ 「うらみきこえ給に」「つらさも消えぬべし」
ⅲ 「けしきあること、なのたまひそよ」


第Ⅱ部 写本を演奏するのは我々である
句読を切る。本文を改める。
ⅰ 整定本文のレイアウト
ⅱ 挿入句の捉え方
ⅲ 追叙法の捉え方
ⅳ 言いさしの捉え方
ⅴ 本文改訂の是非をめぐって
ⅵ 『新日本古典文学大系 源氏物語』の改訂方法
ⅶ 大島本の傍記をどう扱うか

「と」の気脈
ⅰ 《「…」と、「…」》型の発話文
ⅱ 《「…」と、「…」》型の心内文
ⅲ 《「…」と、「…」》型で、話主が交替する例
ⅳ 話主交替を明示しない発話文
ⅴ 発話文から地の文への緩やかな移行
ⅵ 心内文から地の文への緩やかな移行
付 「&」としての「と」

鉤括弧と異文
ⅰ 「と」ナシ発話文・心内文
ⅱ 《「…」心地す》型心内文の気脈
ⅲ 《「…」心地す》型心内文の拒否
ⅳ 名詞化される発話文・心内文


第Ⅲ部 どこからどこまでが『源氏物語』なのか
散佚「桜人」巻をめぐって
ⅰ 「桜人」の佚文
ⅱ 「桜人」の名を挙げる資料
ⅲ 近年明らかになったこと
ⅳ これまでの「桜人」研究
ⅴ 「桜人」の散佚情況から考え得ること/得ないこと

散佚「巣守」巻をめぐって
ⅰ 「巣守」研究の現段階
ⅱ 源氏物語古系図の中の「巣守」関連記事一覧
ⅲ 『源氏物語』とは何か?
付 「巣守」の古筆切、発見

続篇・外伝の筆法
ⅰ 末尾に後続する続篇たち
ⅱ 狭間に割り込む外伝たち
ⅲ 作中人物はいかに再生するか

あとがき

↓御注文はコチラ
揺れ動く『源氏物語』
加藤昌嘉 著
定価 5,184円 (本体4,800円)
ISBN 978-4-585-29020-9 Cコード C1095
刊行年月 2011年9月 A5判・上製 296 頁
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