劇団 前進座の代表、中村梅之助さんより
『前進座80年』をお送りいただきました。
梅之助さんは『遠山の金さん捕物帳』で
ご存じの方も多いでしょう。

御年83歳、生まれながらの前進座ッ子、
8歳で初舞台を踏んでから、前進座劇場閉館まで、
波瀾万丈の劇団史が綴られています。

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本書は二部構成になっていて、
第一部は前進座創立の前年に生まれた梅之助さん(前進座代表)が、
創立者の中村翫右衛門を父にもち、ご自身の成長と合わせて
劇団の思い出・活動の歴史を重ね合わせていきます。
東京・吉祥寺で劇団員が集団生活をしながら、
東京・名古屋・大阪などで公演をおこないます。
当時の新しいメディアである映画の制作に関わって
『人情紙風船』『元禄忠臣蔵』など高い人気の作品を生みました。
火事で劇団事務所・稽古場・住まいが焼けてしまい、
からがら逃げたこともあるそうです。
戦争が激しくなってくると、都会では芝居が打てなくなり、
地方を回ります。劇団も長野県へ疎開しました。
梅之助少年は、おなかを空かしながら、中学生活を送り、
学校ではグライダーに乗っていたのです。
役者も戦地へ召集されるので、働く人が少なくなり、
中退して劇団にはいりました。
戦後は、集団で共産党への入党があり、
GHQから会場を貸すな、といった指示があって、
北海道・赤平では無断使用問題が発生し、中心の中村翫右衛門に逮捕状がでて、
中国に出国する事件もありました。
劇団内では、運営をめぐって分裂への危機もある波乱の時代も描かれています。

第二部では、80年代になって、座の活動も歌舞伎・時代劇・現代劇・青少年向けと
多彩なレパートリーを誇るようになっていき全国を巡演しています。
またテレビへの出演が増えます。
80年代には吉祥寺に「前進座劇場」を建てました。
歌舞伎の発掘や『平家女護嶋』の通しを初めておこなったり、
復活公演や通し上演などの意欲的な舞台を作って現在まで続いています。

時代の波は、映像へ大きく傾いていますが、
そのなかで生身の人間が演じる芝居の魅力をかっちりと描いています。
80年の劇団史を通じて、日本人の80年浮き彫りにされます。

是非、御高架ください!


『前進座80年』
朝日新聞出版 (2013/2/20)
ISBN- 978-4023310018
定価:本体840円+税



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