國學院大學物語研究会様より、
「物語文學論究」第十四号(平成28年3月14日発行)
をお送りいただきました! ありがとうございました!

20160330monogataribungakukenkyu 14

 五年ぶりの発行とのことです。
 林田孝和先生による「物語文学研究会 四十五年の歩み」に始まり、主に若手研究者の皆さんによる26本の論文が並びます。
 「はじめに」は、目次に小菅あすか氏によるものとあり、「「疑問」に対して、現在できる精一杯の答えを形にすることが、初学の徒である我々にとっての、『源氏物語』という作品、作者、先人の数多くの研究者への挑戦であり、敬意を表する術である。」と、「研究し続ける」ことの決意が横溢しており、実に頼もしく感じました。
 また、高倉明樹子氏による、「編集後記」には、これまで収録されてきた論文を「総目次」という形で掲載することにより諸先輩方の奮闘ぶりを間近に感じることが出来たとその成果を語っておられます。
今後の益々のご活躍、発展御隆盛を祈念いたします。

目次による、そのラインナップは次の通りです。

目次
題字  林田孝和先生
はじめに…小菅あすか
物語文学研究会 四十五年の歩み…林田孝和
衣をすべす女君
 ―空蝉―…阿部文香
玉鬘の「わららか」さ
―「蛍」巻における玉鬘を起点として―…栗原優花
「賢木」巻における野宮の別れ
 ―「あかつきの」「おほかたの」の二首をめぐって―…小菅あすか
薫の「身を分く」希求
 ―「おばつかな」独詠歌と「わが身」―…高倉明樹子
桐壺帝の「犯し」
 ―「明石」巻での罪の告白を中心に―…一瀬雄太
「車争い」から見る女の苦悩
 ―葵の上と六条御息所の視点より―…岡元文音
昼に絵を描く光源氏…柿沼涼香
玉鬘と光源氏の関係性…安達ゆり
「薄雲」巻における尼君の発言
 ―光源氏の繁栄と「更衣腹」―…大島 唯
『源氏物語』第二部に暗転をもたらす「紫のゆかり」
 ―紫の上と女三の宮の人物論から読み解く―…亀谷粧子
紫の上と光源氏、絵へのまなざし…久保田優希
『源氏物語』における花散里の「橘」論…高橋千佳
末摘花の信仰心
 ―「おどろおどろし」き二つの性質から―…手島なつみ
女性性として見る光源氏…深澤真菜
桐壺帝の「あか」ぬ思い
 ―「桐壺」巻の表現を中心として―…矢島拓弥
帚木の歌の物語における効果と空蝉との関係について…山﨑智徳
柏木の女三の宮垣間見をめぐる表現
 ―「若菜上」巻「春の手向の幣袋」を起点に―…戸﨑芙優美
玉鬘たちの「早舟」と八幡神
 ―史実資料と物語の相剋から―…浜田賢一
夕霧と紫の上
 ―「御法」巻の〈即日葬送〉に着目して―…嶋田龍司
異類としての夕顔
 ―「這ふ」という表現をめぐって―…平野美佳
空蝉の「衣」
 ―「衾」と「おしやる」を中心に―…畠山大二郎
猫をめぐる物語
 ―『源氏物語』第二部世界と谷崎潤一郎
  『猫と庄造と二人のをんな』について―…大津直子
『アナと雪の女王』と古典文学作品との共通性
 ―貴種流離・雪・異形―…春日美穂
『源氏物語』「葵」巻・賀茂祭における物見の場と視線…岩原真代
歓待の火
 ―光源氏と空蝉を繋ぐもの―…津島昭宏
「物語文學論究」総目次
編集後記…高倉明樹子

「物語文學論究」第十四号
発行日:平成28年3月14日発行
発行:國學院大學物語研究会
発行代表:小菅あすか
編集代表:高倉明樹子