雲一つ無い晴天の早朝、
よい香りを漂わせながら、
「紅梅」が咲き誇っています。
今朝、出がけに気付きました。
同じ場所に白梅もあるのですが、
例年、この「紅梅」が一番早く咲きます。
しかし、今日はまだ(もう?)18日ですよね、
暖かい日が続くからでしょうか、
満開。例年よりやや早いような気もします。

2017 01 18 紅梅

『源氏物語』紅梅 より
「園に匂へる紅の、色に取られて、香なむ、
白き梅には劣れると言ふめるを、いとかしこく、
とり並べても咲きけるかな」


『大法輪』2017年2月号より、
千 草子(せん そうこ)氏による新連載(全 6 回)

『源氏物語』の姫君から鎌倉女人へ
──自立と御仏への祈り──
①末法思想と『源氏物語』の姫君たち

が開始されました!

連載のはじめに──千 草子
 人が自らの意思をもって生活し、他の人に迷惑をかけることもなく、時に、他の人や見ず知らずの人を助けることができる時、その人は自立している。そして、その人が、自らの生活や言動を、御仏の教えに従っているとしたら、御仏の信仰に生きていることになる。
 自立と信仰、この二つが、特に女性において確実に両立した時代は、いつに求められるであろうか。
 本連載は、そのことにつき、『源氏物語』に反映された平安時代の姫君たちから、『一遍聖絵』に反映された鎌倉女人まで、追跡する試みである。『源氏物語』については、すでに『絵入簡訳源氏物語』全三巻(平凡社)として全訳に近い現代語訳を公刊している経験を生かし、『一遍聖絵』については、特に、その詞書の解釈にことばの研究者としての精根をかたむけ、従来の解釈とは異なるものをいくつか提示していきたいと思う。
 なお、連載に先立つ2016年10月18日、遊行寺主催・藤沢市等後援の第九回文化講演会において、同一テーマのもと、一般の方々を含める参加者にお話しする機会があった。90分という講演時間の制限ではしょらざるを得なかった部分や、講演資料に載せられなかった文字資料を補いつつ、今回、あらたに書きおろしていく。

20160117 DAIHOURIN02

《新連載》(全 6 回) 大法輪カルチャー講座
『源氏物語』の姫君から鎌倉女人へ
──自立と御仏への祈り──
①末法思想と『源氏物語』の姫君たち

月刊『大法輪』2017年2月号 
2017/01/07  大法輪閣発行
雑誌コード:0590902
A5判・236頁
定価:本体870円+税

詳細はコチラからどうぞ!





下記日程にて、第37回表記研究会研究発表会
が開催されます。ふるって御参加下さい!

日時 : 2017年1月21日(土) 13 : 00~17 : 00
場所 : 清泉女子大学 1号館131教室

所在地  東京都品川区東五反田3-16-21
(JR五反田駅、大崎駅からそれぞれ徒歩約10分、JR品川駅から徒歩約15分)
※会場までの交通案内および地図は、↓コチラの
清泉女子大学のホームページを御覧下さい

13:00-13:30
シンポジウム「仮名の成立」
かたちからみた仮名の自立
  愛媛大学  佐藤 栄作氏


13:30-14:00
仮名の資格
  関西大学  乾 善彦氏


14:00-14:30
平安期の仮名資料からみた仮名の成立
  山梨大学  長谷川千秋氏


14:30-15:00 休憩

15:00-17:00
全体討論
(司会)清泉女子大学  今野 真二氏


ご注意
・当日、参加費として500円をいただきます。
紫式部顕彰会さまより、
会報誌「わかな」第45号(2016.12)を御恵送いただきました。
ありがとうございました。
また、同誌の記事に、
青島麻子氏が、小社刊『源氏物語 虚構の婚姻』で、
第17回 紫式部学術賞受賞された記事が掲載されています。
紫式部顕彰会さまHP記事はコチラ

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受賞理由(紫式部顕彰会ホームページより転載)
  本書は平安朝貴族社会の婚姻において「妻(さい)」と「妾(しょう)」との区別が明確に存したという意味で「一夫一妻制」であったという説が提起され、これを契機に源氏物語の女性たちの結婚についても「妻」か「妾」かの議論が高まる。青島氏は近年の歴史学、社会学等の婚姻史研究の進展を踏まえた上で、平安期の婚姻の徹底的な史実調査を行い、その実態と源氏物語の結婚との乖離(かいり)を明らかにし、物語の虚構性を論じた。歴史資料の精査と丁寧な解釈に基づき数多くの新見を示して、この分野の研究の進展に大きく寄与する成果を上げた点を高く評価した。
(文責・紫式部学術賞審査委員長・日向一雅)


虚構の婚姻書影
青島麻子著
『源氏物語 虚構の婚姻』
A5判上製カバー装・368頁
ISBN:978-4-8386-0282-7
本体:11,500円+税

•目  次
   凡 例
序論 平安朝の婚姻慣習
• ─「妻」を表す用語から─
一、婚姻慣習の議論をめぐって 
二、「妻」「妾」の語の使用法 
三、「妻」「妾」の語の和名 
四、妻を表す用語の定義 
•第一部 婚姻研究史からの展望
  第一章 婚姻居住形態と出自制
一、居住形態を表す用語の定義 
二、高群逸枝の母系制説とその修正 
三、双系制の提唱と現在の水準 
四、平安時代の居住形態の実態 
  第二章 一夫多妻の内実
一、夫婦構成を表す用語の定義 
二、一夫多妻制における正妻事後決定説 
三、一夫多妻制における正妻事前決定説 
四、一夫一妻制説 
五、道長に見る正妻の条件 
  第三章 紫の上の妻の座
一、紫の上の妻の座をめぐる立場 
二、結婚経緯と社会的認知 
三、呼称 
四、居住場所 
五、紫の上の境界性 
六、婚姻開始時の紫の上 
七、若菜巻での遡及 
八、婚姻制度の議論を超えて 
•第二部 婚姻居住形態から見る物語の論理
  第一章 平安朝物語の婚姻居住形態
• ─『源氏物語』の「据ゑ」をめぐって─
一、婚姻居住形態をめぐる議論 
二、「据ゑ」の形式 
三、結婚経緯の描かれ方の差異 
四、同居の後を見つめる源氏物語 
  第二章 「対」の女君
• ─多妻の視座と「対の上」をめぐって─
一、「対」居住と妻の座 
二、女房的な「対」の女性 
三、うつほ物語の宰相の上 
四、源氏物語の「対」 
五、結び 
  付論 『源氏物語』東西の対
•第三部 一夫多妻制から見る物語の論理
  第一章 宿木巻の婚姻と「ただ人」
• ─身分の捉え直しをめぐって─
一、ただ人は一夫一妻か 
二、東宮候補の皇子 
三、匂宮の据え直しと中の君物語 
四、女二の宮の降嫁と「ただ人」薫 
五、結び 
  第二章 女二の宮「降嫁」
• ─今上帝の「婿取り」をめぐって─
一、「降嫁」をめぐる問題 
二、在位中の帝による降嫁 
三、今上帝の婿取り 
四、降嫁をめぐる薫のあり方 
五、結び 
  第三章 蛍宮と真木柱の婚姻
• ─婿選びに際する発言をめぐって─
一、式部卿宮の言 
二、代替わり記事 
三、光源氏の身分の捉え返し 
四、親王の価値の捉え返し 
五、身分と愛情の問い 
  第四章 「添臥」葵の上
• ─初妻重視の思考をめぐって─
一、問題の所在 
二、添臥の定義 
三、光源氏の「添臥」 
四、物語における初妻重視 
五、結び 
•第四部 婚姻用語・慣習から見る物語の論理
  第一章 髭黒召人の前景化
• ─真木柱巻の方法をめぐって─
一、平安朝における「召人」の用例 
二、源氏物語正編の召人 
三、真木柱巻の多角的視点と髭黒の召人 
四、第二部への萌芽 
  第二章 平安時代の結婚忌月
• ─東屋巻の「九月」をめぐって─
一、問題の所在 
二、平安朝における結婚忌月 
三、東屋巻の「九月」 
四、結び 
五、付表 
  第三章 平安朝物語における近親婚
  一、近親婚をめぐる議論 
二、兄妹婚と平安朝物語 
三、オジ・オバ婚とうつほ物語 
四、イトコ婚と源氏物語 
五、結び 
•結論 婚姻研究から見た平安朝文学史の再構築
一、前期物語と一夫多妻 
二、『源氏物語』成立期の時代状況 
三、源氏物語と「後見」 
四、源氏物語における婚姻研究の意義 
•   あとがき
   初出一覧
   索 引






2017年1月4日付 山陽新聞社会面に、
「池田光政書写の「清輔(きよすけ)本」発見 林原美術館、貴重な完本2件」
の記事が掲載されました。
山陽新聞電子版はコチラをご覧下さい)

20170104山陽新聞朝刊(社会面) (70mm)

発見されたのは、池田光政が書写した「清輔本」、
冊子本と巻子本の完本二種類です。
平安末期の歌学者藤原清輔(1104~77年)による清輔本は、
一般に知られる藤原定家が校訂した「定家本」より書写年代が古く、
原本に近い体裁を保つとされます。
冊子本下帖末尾に下記の書写奥書があり、
「右古今和謌者以清輔/
 親筆而自執毫寫之/
 古今諸本有文字脱/
 誤者多矣今幸得/
 好本不違一字校/
 合之者也/
 寛文八年/
 正月日」
また、巻子本第四軸の巻末に下記の書写奥書、
「右古今和哥集者以清輔親筆而/
 自執毫寫之〔己+十〕古今諸本/
 有文字脱誤者多矣今幸得/
 好本不違一字校合之者也/
 正保三年/
 孟夏上旬」 があります。
署名こそないものの、
二種類とも筆跡から池田光政の真筆本と判断され、
いずれも 〈 清輔親(真)筆を以て(中略)
 一字として違わず之を校合するものなり 〉の意です。
確実な自筆本が現存しない「清輔本」を忠実に
再現している可能性がきわめて高いのです。
林原美術館学芸課長の浅利尚民氏によれば、
「近世でも主流だった定家本ではなく、
清輔本を書写したことは興味深い」とのこと。

今回の「清輔本」二点と、この他に
新出本の「定家本古今集」一点については、
先日小社より発行いたしました「武蔵野文学」第64集に、
2017010602武蔵野文学64集 75mm

新出・再出現の『古今集』三点
─林原美術館蔵 保元二年清輔本・嘉禎三年八月定家本─
舟見一哉


として詳細な紹介が、カラー口絵写真とともに掲載されています。
また、現在の保元二年本に関する研究、ひいては清輔本古今集の研究は、
前田家本に依りつつ、欠落部分は、前田家本とは転写関係にはない
(そして所在不明の)土肥本を翻刻したものに依らざるをえない、
という問題点がありましたが、今回再出現した冊子本は、
前出 「清輔親(真)筆を以て(中略)
 一字として違わず之を校合するものなり 」と、信頼のおけるものであり、
また、問題の欠落部分を勘物まですべて有しているので、
上記論文には、土肥本による翻刻部分と相違する箇所が
一覧されています。これは必見です
是非こちらの電子版記事とあわせ
「武蔵野文学」第64集の舟見論文をご一読下さい。

※本誌は送料ともに無料でお送りしています。
まだ、お手元にお持ちでない方は、
「「武蔵野文学」第64集希望」と明記の上
コチラの「お問い合わせ」フォームからお申し込みください。

お電話及びFAXの場合(お電話 03-3291-4859  FAX 03-3291-4839)